七十二候 第21番 · 4月15日 – 4月19日

虹始見

Niji hajimete arawaru · First rainbows appear

春の通り雨が過ぎると、晴れ間から差し込む陽光に照らされ、今年初めての虹が空にかかる。

後の雨が止み、ふと見上げると山の稜線に淡い虹がかかっている。濡れた石の上に散った桜の花びら、土の匂い。この五日間、私たちはどこか子どものような気持ちで空を仰ぐ。どの雨のあとにも、あのはかない贈りものが現れるかもしれないから。

自然便り

燕がすっかり渡り終え、水気を含んだ雲を背に軽やかに飛び交う。桜は風に最後の花びらを散らし、その下では若葉が透けるような萌黄色に山肌を染め始めている。田んぼに水が入り始めると、夕暮れには蛙の声が一斉に湧き上がる。

果物

いちご

枇杷(早生)

八朔

甘夏

野菜

春キャベツ

空豆

独活(うど)

白魚

食卓

01

筍ごはん

掘りたての筍をさっと炊き込んだごはん。本格的な雨の季節を前に、この時季の筍は甘みがもっとも冴える。

02

鯛の桜蒸し

桜の葉の塩漬けとともに蒸し上げた鯛。花のかすかな渋みが、淡白な身にそっと移る。

文化便り

花見の季節は静かに終わりを迎え、人々の目は満開の華やかさから、散りゆく花びらの美しさへと移る。「花吹雪」という言葉には、儚さを惜しむだけでなく、二度と繰り返されぬこの一瞬を愛でる心が宿っている。

雨あがり子らの指さす虹の橋

ame agari / kora no sashiyubi / niji no hashi

rain lifts — / children's fingers point / to the rainbow bridge

虹はなぞるうちに薄れ、雨と雨のあいだに色の記憶だけが残る。